2011年8月12日金曜日

多発性骨髄腫

こんばんは。

最近はお盆休みということで、ホテルでのお預かりが多いです。
満室であったため、一部の方にはお断りをさせて頂くことになってしまい申し訳ありませんでした。

お盆中(13・14・15日)は午前中のみの診察となりますので、ご注意ください。


 今回は「多発性骨髄腫」という病気をご紹介します。
血液がんの一種で、形質細胞と呼ばれる血液細胞の1つが骨髄で腫瘍化する病気です。
がん細胞が増殖することと、がん細胞から産生される物質が体中をめぐることにより、様々な症状があらわれます。

先日、何となく元気と食欲がないということで来院された若いネコちゃん。
各種検査の結果、「多発性骨髄腫」であることが分かりました。

ネコちゃん、ましてや若いネコちゃんでは極めて稀にしか発生しない珍しいケースです。僕自身も、
高齢のワンちゃんで経験したことはありましたが、若いネコちゃんでの経験は初めてです。

治療は、抗がん剤療法と対処療法の組み合わせになります。
難しいのは、現在のところ完治できる治療法がない所です。
治療の目的は完治させることではなく、少しでも楽な状態で生活をさせてあげることになります。


今回は、重度の貧血と骨の吸収による血液バランスの異常と痛みがみられましたので、抗腫瘍効果のあるお薬の投与にプラスして輸血と骨吸収抑制剤の投与を行いました。



矢印で示される部位に骨の吸収像がみられます。


骨吸収抑制剤を投与1ヶ月後の写真。
骨の吸収像が消失しています。


治療開始から1ヶ月以上が経ちましたが、現在は元気・食欲があり、痛みもなく、まずまず良好な生活をしてくれるようになりました。先日も、お預かりで当院に宿泊してくれましたが、名前を呼ぶと「ニャ~~」と返事し、スリスリとすりよってきてくれ、とても調子が良さそうでした。

完治する病気ではありませんので油断はできないですが、少しでも長くこの状態を維持して、飼い主様と楽しい生活を送ってほしいものです。

今回は稀な例ですが、何となく元気食欲がないというごくありふれた症状の時に、中には重い病気であることがあります。病気が悪化する前に早期発見し、治療をしてあげることはとても大切です。大切な家族のちょっとした変化に注意してあげて下さい。

                                           ≪獣医師  大島≫




 

2 件のコメント:

  1. はじめまして。
    兵庫県で獣医師をやっている者です。

    若い猫ちゃんでの多発性骨髄腫、珍しいですね。
    私も最近、17歳の重度の貧血(HCT=9%)と高蛋白血症の猫で
    とりあえず輸血をして検査結果を待っていたのですが、
    診察時点ですでに衰弱が激しく、あっという間になくなってしまいました。
    結果、モノクローナルガンモパシーと尿中BJ蛋白が認められ、
    多発性骨髄腫との診断は付いたのですが、骨のパンチアウト像は認められませんでした。

    若い子の多発性骨髄腫、しかも、猫では比較的出にくいとされるパンチアウト像が出ているというのは、かなり珍しい症例だと思います。大変興味があるのですが、あと一つはモノクローナルガンモパシー、BJ蛋白のどちらが出ていたのでしょうか。もしくは骨髄バイオプシーでしょうか。ご教授頂けるととても参考になります。よろしくお願い致します。

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  2. コメントありがとうございます。

    残りの一つはモノクローナルガンモパシーにて診断いたしました。

    その他ご質問等がありましたら、当院にお電話ください。(TEL:052-877-3117)
    ご対応させて頂きます。

    よろしくお願いいたします。

                                大島

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