2011年5月30日月曜日

陰睾

♂のワンちゃん(稀にネコちゃん)の診察をしていると、陰嚢(いわゆる〇玉袋)に睾丸が2つ無いことがあります。この場合、「陰睾」と呼ばれる遺伝性の病気であることが殆どです。

睾丸は生まれる前はお腹の中にありますが、生後まもなく陰嚢に移動します。しかし、陰睾の場合、睾丸は陰嚢まで移動できず、お腹の中や内股の近くの皮膚の下に残ってしまいます。

睾丸は身体とは少し離れた陰嚢の中で常に冷やされることで、正常な状態を保ちます。しかし、お腹の中や皮膚の下に睾丸がある状態では、睾丸が常に体温で温められてしまいます。このため、常にダメージを受け続ける状態になり、将来腫瘍になりやすくなってしまいます。
上が正常な睾丸
下が陰睾であった睾丸(異常な位置にあった睾丸は正常な睾丸よりも小さいことが多い)



陰嚢に睾丸が2つない場合は、将来、病気になる前に去勢手術を考えてあげましょう。


                                 ≪獣医師  大島≫

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