2011年4月2日土曜日

皮膚病

こんにちは。
大分暖かくなり、春らしさを感じるようになってきました。

今日は最近経験した皮膚病の患者さんのうち、生活習慣を変化させただけで改善傾向がみられた
ケースに関しましてご紹介します。

ちょっと?太めのラブラドールの5歳の男の子。
もともとお外で生活していたのですが、オーナーさまの事情により1年前から室内での生活に変更。
マーキング行動があるため、お家の中ではケージの中で生活していました。
その頃より、写真のような病変ができ始めたとのことです。


ちょうど、胸の部分にしこりがあり、表面から汁が出ています。

この時点では、腫瘍や炎症など色々な原因が考えられました。
診察を進めていくと、このワンちゃんの場合は
①鳩胸体質でちょうどしこりの部分に骨が出っ張っていていること
②ケージ内に敷物をしても破壊してしまうため、敷物は使用しないで硬い床に直接寝ていたこと
③肥満であったこと
から、しこりが作られた部位は慢性的に刺激を受け、いわゆる「タコ」のような状態になっていることが疑われました。

オーナーさまの要望は、何とかしてしこりを小さくすることと、汁が出ないようにすることでした。

そこで、
・もう一度お外で生活していただくこと(お外の地面のほうが柔らかい環境であり、しこりの部位
 への刺激が少ないため)
・減量すること
・しこりの周りの毛を刈って、常に清潔に保つこと
の3つをお願いしました。

オーナーさま、とても頑張ってくださいました。
その後の写真です。




ジュクジュクした汁がでなくなり、大きさの変化も見てわかります。
減量も順調です。

今回は、これといったお薬は使用しませんでした。
環境や生活習慣をただ変えて頂いただけです。


皮膚病だけではありませんが、環境や生活習慣というものの大切さを改めて実感しました。

もちろん、今回のように環境や生活習慣を変えれば上手くいくものだけではありません。
しかし、病気のワンちゃんやネコちゃんに遭遇したとき、今までの生活を見直していただくことも
大切です。





                                 < 獣医師 大島 >

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